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先行きは横ばい、最低賃金は4.9%上がる|下期の計画を「一人あたり」で組み直す

AI CEO

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ビジョン策定・意思決定を支える参謀

「下期の計画、去年の数字を少し積み増すだけでいいのか」

経営の方向性について相談を受けると、この時期はこんな声をよく聞きます。

「上期は思ったより悪くなかった。ただ、来期の絵が描けない」 「売上は横ばいなのに、人件費だけ毎年上がっていく」 「計画を作れと言われても、何を前提に置けばいいのか分からない」

どれも当然の悩みです。計画づくりで本当に難しいのは表を埋めることではなく、どの前提を置くかを決めることだからです。そして多くの会社の計画は、いつのまにか「そのうち景気が戻る」という前提の上に立っています。

止めているのは景気そのものではなく、景気が戻らないまま人件費だけが上がる状態を、正面から前提に置けていないことです。

業況DIは▲21.2、そして先行き見通しは「横ばい」だった

まず知っておいてほしい調査があります。日本商工会議所が2026年7月31日に公表した、商工会議所LOBO(早期景気観測)調査の2026年7月結果です。全国323商工会議所の会員2,406企業に配布し、有効回答は1,940企業(回答率80.6%)でした(出典は記事末尾)。

全産業合計の業況DIは**▲21.2**(前月比+1.0ポイント)。製造業では、AI・半導体関連を中心とした設備投資需要が改善をけん引しています。

社長にとって重要なのは次の数字です。先行き見通しDIも▲21.2(今月比±0.0ポイント)。現場の実感として、この先も良くも悪くもならないという見立てが出ています。「もう少し待てば戻る」を待ちの根拠にできない、ということです。

回復を織り込まない計画をつくり、それでも利益が残る形にしておく——下期に必要なのはその作業です。

同じ調査の付帯調査「物流効率化」も示唆的です。「取組を開始」22.3%と「取り組む予定」9.2%を合わせた31.5%に対し、「取り組めていない」14.9%と「何をすればいいのか分からない」15.1%を合わせた30.0%が並びました。必要性は分かっているのに最初の一手が決まらない会社が、およそ3割あるということです。

この構図は物流に限りません。省力化でもAI活用でも、足りないのは意欲ではなく最初の一手の具体化です。

最低賃金の「年4.9%上昇」を前提に置く

もう一件、下期の前提に直結するニュースがあります。厚生労働省が2026年7月28日に公表した令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安です。同日の第75回中央最低賃金審議会で答申が取りまとめられました(出典は記事末尾)。

引上げ額の目安はAランク54円、Bランク56円、Cランク56円。目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合、全国加重平均は1,176円、上昇額は55円(昨年度は66円)、引上げ率に換算すると4.9%(昨年度は6.3%)となります。

社長が読むべきなのは「上げ幅が鈍化した」ではなく、年約5%の人件費上昇が続く前提は変わっていないという点です。

大企業側も同じ方向です。厚生労働省が7月31日に公表した「令和8年 民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」では、集計対象428社の平均妥結額が18,167円、平均賃上げ率は5.18%。妥結額は2年連続で18,000円台、賃上げ率は3年連続で5%台を維持しています(出典は記事末尾)。中小企業にとっては、採用競合の給与レンジがその分だけ上がったという意味です。

採用市場も緩んでいません。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)」によれば、6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍、正社員有効求人倍率は1.00倍。正社員でも求人1件に求職者1人です。新規求人は前年同月比3.1%増ですが、製造業10.4%増の一方で情報通信業は6.4%減と、業種で採用の難易度は逆方向に動いています(出典は記事末尾)。

一枚に重ねると、下期の前提はこうなります。売上は横ばい、最低賃金は目安どおりなら4.9%上昇、人員の追加補充は難しい。同じ人数で生み出す付加価値を、少なくとも人件費の上昇分だけ引き上げるしか、利益を守る道はありません。

下期の計画を組み直す3つの手順

1. シナリオを2本に分け、「横ばい」を主に置く

多くの計画は成長シナリオ1本で作られています。これを2本に分けてください。主シナリオは売上横ばい・人件費4.9%増、従シナリオに受注が伸びた場合を置きます。順番が大事です。主シナリオで利益が残る形を先に作り、伸びた分は上振れとして扱う。逆にすると計画が願望になり、期中の判断が遅れます。

2. KPIを「総額」から「一人あたり」へ置き換える

総額だけを見ていると、人件費上昇の影響が数字に出てきません。一人あたり粗利と一人あたりの処理件数(受注件数、出荷件数、対応件数など自社の主業務の単位)を、月次で追える形にしてください。

目標水準はシンプルで、一人あたり粗利を前年比4.9%以上が最低ライン。ここを下回る月が続けば、賃上げの原資は利益から出ていきます。

3. 「何をすればいいのか分からない」を、最初の一業務に落とす

LOBO調査で15.1%が挙げた「何をすればいいのか分からない」は、AI活用でも同じ形で現れます。株式会社Leachが2026年5月18日に公開した『中小企業AI導入実態調査2026』では、従業員300名以下の中小企業のAI導入率は約12%で、最大の障壁はコストや人材不足ではなく**「何から始めればいいか分からない」が62%で首位**でした。最初の活用領域は「書類処理・データ入力」38%が最多で、月額5万円程度の生成AI顧問から始めた企業は、いきなりシステム開発に着手した企業より定着・成功率が約3倍高かったとされています(出典は記事末尾)。

帝国データバンクの1万312社調査(2026年5月14日公表)でも、生成AIを「活用している」企業は全体34.5%に対し中小企業32.4%・小規模企業28.0%です(出典は記事末尾)。規模の差は能力差ではなく、着手の型の差です。下期の計画には、どの一業務を、いつまでに、何時間減らすかを1行で書いてください。「AI活用を推進する」では、期末に検証できません。

Before / After

Before: 計画は前年実績に数%を積み増した1本だけで、景気が戻る前提が暗黙に入っている。KPIは総額のみで、人件費上昇の影響が数字に表れない。省力化やAI活用は「必要なのは分かっている」まま、着手の期日が決まっていない。

After: 売上横ばい・人件費4.9%増を主シナリオに置いた計画がある。一人あたり粗利と処理件数を月次で追い、賃上げの原資が確保できているかを毎月確認できる。最初の一業務と期限が1行で決まっており、期末に達成・未達を判定できる。

よくある失敗と、避け方

  • 回復シナリオ1本で計画を作る → 先行き見通しDIは横ばい(今月比±0.0ポイント)。横ばいを主シナリオに置き、上振れは別建てにする。
  • KPIを総額のままにする → 人件費上昇の影響が見えない。一人あたり粗利・一人あたり処理件数に置き換える。
  • 省力化を「大きな投資」として構える → 導入企業が最初に選ぶ領域は書類処理・データ入力が最多。1業務・1か月で効果を測れる単位に割る。
  • 急いで外部ツールに社内情報を預ける → サイバーセキュリティ戦略本部は2026年7月31日に「サイバーセキュリティ2026」を決定し、中小企業を一層の対策が必要な分野に位置づけました(出典は記事末尾)。入れてよい情報とだめな情報を先に決めてから、ツールを選ぶ順番を守る。

こんな社長に向いています

  • 下期・来期の計画を、どの前提で組むべきか決めきれていない
  • 売上は横ばいなのに人件費だけが上がり、利益の見通しが立てにくい
  • 総額のKPIしか見ておらず、一人あたりの生産性を追っていない
  • 省力化やAI活用の必要性は感じているが、最初の一業務が決まらない
  • 採用を前提にした計画が、ここ数年うまくいっていない

ひとつでも当てはまるなら、計画の「前提」を1時間だけ見直す価値があります。

決めるべきは、目標の高さではなく前提の置き方です

先行き見通しDIが横ばいだという数字は、悲観の材料ではありません。環境が変わるのを待つ計画をやめ、自社の構造を変える計画に切り替える合図です。売上が伸びなくても、一人あたりの付加価値が人件費の上昇を上回っていれば、会社は前に進みます。

とはいえ、「どのシナリオを主に置くか」「何の一人あたりで測るか」「最初の一業務をどこにするか」を一人で決めるのは骨が折れます。そこをお手伝いするのが、AI CxOのAI CEO(経営全般・意思決定・中期計画・KPIの責任者)です。前提の置き方からKPIの設計、最初の一業務と期限の決め方まで、社長の隣で組み立てます。

料金は月5万円(税別)。まずは試したい方には、お試し月3万円(税別)もご用意しています。まずは、計画の1ページ目にある「前提」から見直しましょう。

参考・出典

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