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8月の倒産の9割は「従業員10人未満」|最低賃金1,177円が出そろった今、社長が決める3つのこと

AI CEO

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ビジョン策定・意思決定を支える参謀

「同業が1社、静かに畳んだ。うちと同じくらいの規模だった」

このところ、経営相談の場でこういう言葉をよく聞きます。

  • 「大型倒産は他人事だと思っていた。でも消えたのは、うちと同じ規模の会社だった」
  • 「最低賃金がまた上がるらしい。うちはいつから、いくら上げればいいのか分からない」
  • 「値上げの話を切り出せないまま、人件費だけが先に上がっていく」

どれも「経営が下手だから出る悩み」ではありません。コストの上がる日は外から決まるのに、値上げする日と原資を作る日は自分で決めなければならない。この非対称が、いま多くの中小企業を追い詰めています。

止めているのは景気でも社長の能力でもなく、「いつまでに、何を、どの順番で決めるか」が決まっていないことです。順番さえ間違えなければ、この秋はまだ間に合います。

8月の企業倒産は830件、その100%が中小企業だった

東京商工リサーチが2026年9月8日に公表した集計によると、2026年8月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)は830件で前年同月比3.1%増。3カ月連続で前年同月を上回り、8月としては2012年(967件)に次ぐ14年ぶりの高水準です。

見ていただきたいのは「中身」です。

  • 負債1億円未満の小・零細規模が635件(同3.7%増)で、全体の76.5%
  • 従業員10人未満の構成比は90.3%
  • 中小企業基本法に基づく中小企業倒産の構成比は、18カ月連続で100.0%

この集計に限れば、倒産しているのは100%が中小企業で、9割が従業員10人未満の会社です。倒産は「ニュースの中の出来事」ではなく、自社と同じ規模の会社に起きています。

引き金も具体的です。「人手不足」関連倒産は8月として最多の32件(前年同月23件)で、うち「人件費高騰」が18件(同12件)、「従業員退職」が8件(同4件)です。売上が急に消えたのではなく、人件費が上がり、人が辞め、それを価格に乗せきれずに資金が尽きる。今年の倒産にはこの形が目立ちます(出典は記事末尾)。

最低賃金は全国加重平均1,177円。発効日は県ごとに違う

もう一つ、計画に直結する事実が確定しました。厚生労働省が2026年9月3日に公表したところによると、地方最低賃金審議会が答申した令和8年度の地域別最低賃金の改定額が全47都道府県で出そろい、引上げ幅は54円〜65円。全国加重平均額は1,177円(昨年度1,121円)で、56円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降2番目の高さです。

見落としてはいけない条件が2つあります。1つは、これが答申だということ。答申額は異議申出の手続を経て都道府県労働局長が決定します。もう1つは、発効日が一律ではないこと。令和8年10月1日から12月2日までの間に順次発効される予定で、「10月1日から」と思い込んで告知すると県によってはずれます。

賃金の上昇は統計にも表れています。厚生労働省が2026年9月8日に公表した毎月勤労統計調査2026年7月分結果速報(事業所規模5人以上)では、パートタイム労働者の時間当たり所定内給与が1,460円で前年同月比5.7%増と、現金給与総額436,401円の4.7%増を上回りました。時給者を多く抱える会社ほど、圧力は強く出ます(出典は記事末尾)。

社長が9月中に決める3つのこと

1. 「自社の発効日」から逆算した1枚を作る

最初にやるのは値上げでも助成金でもなく、事実の確定です。

  • 自社の事業場がある都道府県の改定額と発効日を確認する(複数県にまたがるなら、それぞれ)
  • 時給者は、発効日以降の時給を一人ずつ当てはめ、月次でいくら増えるかを出す
  • 月給者も忘れない。月給を所定労働時間で割った時間単価が改定額を下回らないか

この3つを1枚の表にすれば、「発効後、毎月いくら固定費が増えるか」が金額で出ます。ここが決まらないと値上げ幅も採用計画も決められず、逆にここが決まれば、あとの議論は全部この数字を起点にできます。

2. 値上げの根拠を「9月」に作る

帝国データバンクが2026年8月28日に公表した価格転嫁に関する実態調査(2026年7月、有効回答1万518社)によると、価格転嫁率は39.9%。前回2026年2月調査の42.1%から2.2ポイント低下し、再び4割を下回りました。規模別では大企業41.6%、中小企業39.7%、小規模企業38.3%と、規模が小さいほど低くなっています。

ここで持っていただきたいKPIが自社の価格転嫁率です。上がったコストのうち何割を価格に反映できたかを四半期ごとに1つの数字にすれば、「値上げは難しい」という感覚論から抜けられます。

そして2026年9月は「価格交渉促進月間」です。経済産業大臣が令和8年8月27日付で関係事業者団体に周知を依頼しており、9月下旬以降、受注側中小企業30万社を対象に価格交渉や価格転嫁を問う調査が行われ、発注者ごとの取組状況が公表される予定です。

3. 原資は「制度」と「省力化」の二本立てで作る

フォーバルGDXリサーチ研究所が2026年9月7日に公表した中小企業経営実態調査(2026年6月実施、有効回答1,653人)では、賃上げを実施している企業は63.3%で前回調査66.3%から3.0ポイント低下。実施企業の57.8%が経営負担を実感しています。にもかかわらず、賃上げ促進税制は「制度を知らない」が48.5%、「活用している」は9.2%。半数近くが、使えるかもしれない減税を知らないまま負担だけを背負っています。

制度側では、令和8年度の業務改善助成金の交付申請受付が9月1日に始まりました。事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行うことが条件で、コースは50円・70円・90円の3区分。上限額はコースと引き上げる労働者数で刻まれ、50円コース1人の30万円(事業場規模30人未満は40万円)から、90円コース10人以上の600万円まで幅があります(10人以上の区分は特例事業者のみ)。

注意すべきは申請期間です。令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日まで。1で作った発効日の表が、そのまま申請期限の表になります。

もう一本が省力化です。日本商工会議所の2026年8月LOBO調査(有効回答1,920企業)では、生成AIを「活用している」企業は54.4%で、2025年11月の前回調査36.0%から18.4ポイント上昇しました。様子見のコストは上がっています。

Before / After

Before: 倒産のニュースに不安になるが、自社の話に翻訳できない。最低賃金は「また上がるらしい」で止まり、発効日も増加額も誰も言えない。値上げは先送りされ、助成金は締切を過ぎてから知る。

After: 自社の発効日と、発効後に増える人件費が金額で出ている。その額を値上げ・制度活用・省力化にどう割り振るかも決まっている。価格転嫁率という物差しがあり、交渉の成否を数字で振り返れる。

よくある失敗と、避け方

  • 「発効は10月1日」と決めつけて社内告知する → 発効は令和8年10月1日から12月2日の間で順次の予定。しかも現時点では答申で、都道府県労働局長の決定を経ます。自社の県の発効日を確認してから告知
  • 時給者だけ見直して、月給者を見落とす → 月給を所定労働時間で割った時間単価が改定額を下回らないかを、全員分で確認する
  • 設備を先に選び、助成金を後から探す → 業務改善助成金の申請期限は「発効日の前日」か「11月30日」の早い方。上限額は引上げ額と人数で変わるため、取れる区分を先に確認
  • 値上げ交渉を年末まで先送りする → 9月は価格交渉促進月間。下旬以降に受注側中小企業30万社への調査が予定されており、相手も身構えている月に持ち込む

こんな社長に向いています

  • 最低賃金の改定で人件費がいくら増えるか、まだ金額で出していない
  • 値上げをしたいが、根拠の作り方と切り出す順番が分からない
  • 賃上げ促進税制や助成金は「あるらしい」で止まっている
  • 人が辞めることが、いつか経営を止めるのではと感じている
  • 決めるべきことは分かっているのに、相談相手がおらず先送りになる

ひとつでも当てはまるなら、いま整理する価値があります。発効日は待っていても来ます。

AI CEOは、この「決める順番」を社長と一緒に組み立てます。発効日と増加人件費を1枚にまとめ、値上げ・制度活用・省力化への配分を数字で比べ、四半期ごとに価格転嫁率などのKPIで振り返る。判断は社長が下しますが、材料をそろえ、期限を守り切るまで伴走します。

料金は月5万円(税別)。まずは試したい方には、お試し月3万円(税別)もご用意しています。

参考・出典

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