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業務効率化

賃上げの原資は工程から出す|9月1日に受付が始まった業務改善助成金と、伸び悩むサービス産業の生産性

AI COO

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業務フローを見直し、現場を回す

「人は増やせないのに、賃金だけ上がっていく」

「募集をかけても人が来ない。今いる社員に頼るしかないのに、その人件費は毎年上がっていく」

「現場を止めずに仕組みを変えろと言われても、止められないから困っている」

「助成金があるのは知っている。ただ、調べて申請する時間が社内の誰にもない」

現場が回らないというご相談では、この3つがほぼ必ず出ます。詰まりの正体は「人が足りないこと」ではありません。足りない人数のまま、去年と同じ工程を回し続けていることが効いています。

東京商工リサーチが2026年8月5日に公表した集計では、同年7月の「人手不足」関連倒産(負債1,000万円以上)は63件で7月として過去最多、うち「人件費高騰」が36件と前年同月比2.1倍でした。人件費の上昇を吸収できないことが会社を止め始めています。

9月1日、賃上げと設備投資をセットで支える助成金の受付が始まった(出典は記事末尾)

厚生労働省は2026年9月1日、令和8年度の業務改善助成金の交付申請受付を開始しました。事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、あわせて生産性向上に資する設備投資等を行うことが条件で、コースは50円・70円・90円の3区分。助成率は事業場内最低賃金が1,050円未満で4/5、1,050円以上で3/4です。

助成上限額は引き上げる労働者数で刻まれます。90円コースは1人90万円(事業場規模30人未満は100万円)から10人以上600万円まで、70円コースは1人40万円(同50万円)から10人以上300万円まで、50円コースは1人30万円(同40万円)から10人以上130万円まで。ただし10人以上の区分は特例事業者のみが対象になります。

効くのは金額よりも締切の設計です。申請期間は2026年9月1日から、申請事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日までとされています。

その発効日も動いています。厚生労働省が2026年9月3日に公表したとおり、令和8年度の地域別最低賃金の改定額は全47都道府県で答申が出そろい、引上げ幅は54円〜65円、全国加重平均額は1,177円(昨年度1,121円)。答申額は異議申出の手続を経て都道府県労働局長が決定し、令和8年10月1日から12月2日までの間に順次発効される予定です。

この2つを重ねると順番が決まります。発効日が10月1日の県なら、申請できるのは前日の9月30日まで。11月30日まで残る県もあれば、今月で終わる県もある。**まず自社の事業場がある都道府県の発効日を確認する。**そこが最初の一手です。

製造業の労働生産性は前年同月比+4.5%、サービス産業は+1.8%

日本生産性本部は2026年8月26日に労働生産性統計(2026年6月実績)を更新し、9月1日に非製造業分野の「ガス」「建設業」を更新しました。

製造業の労働生産性指数は103.2(2020年=100)で、労働生産性上昇率は前年同月比+4.5%。サービス産業の指数は100.9、上昇率は+1.8%です。内訳の差はさらに明確です。鉱工業は対象21業種のうち17業種がプラス。一方、建設業を除く非製造業は対象14業種のうちプラスが4業種にとどまりました(金融業・保険業+24.4%、医療・福祉+3.2%など)。

「サービス業が努力していない」という話ではありません。設備を1台入れれば産出が増える仕事と、設備を入れても人の段取りが変わらなければ何も動かない仕事の違いです。助成金で機器を導入するとき、「その前後で人が何をやめられるか」を先に決めていなければ、月々の償却だけが残ります。

全面刷新はしない。つなぎ目だけ直す

弥生が2026年8月26日に公表した「中小企業のバックオフィスAI活用実態調査2026」(従業員1〜150名規模の経営層・バックオフィス責任者ら951名、2026年7月16〜17日実施)では、業務フローやシステムの全面刷新に「まったく抵抗がない」は12.2%、業務分断が発生している企業は68.0%でした。今後のAI活用への関心は60.3%あります。

現場は、変わりたくないのではなく一度に全部は変えられないだけです。狙う場所も決まります。全面刷新ではなく、68.0%が抱える分断、すなわち工程の「つなぎ目」です。

手順1 つなぎ目を数えてから、道具を選ぶ

日本商工会議所の8月LOBO調査(有効回答1,920企業、2026年8月14日〜20日実施)では、生成AIを「活用している」企業が54.4%となり、2025年11月の前回調査36.0%から18.4ポイント上昇。ところが活用中の企業を母数とした設問では、課題の1位が「活用できる業務の洗い出し、活用方法の検討」53.3%でした。

道具ではなく、洗い出しで詰まっています。おすすめは1週間、紙1枚で数えること。**転記した回数、待たされた回数、確認のために聞いた回数、差し戻された回数。**この4つを部署ごとに数えるだけで、どのつなぎ目に時間とお金が落ちているかが見えます。助成金で入れる設備は、この数字が最大の場所に当てます。

手順2 手順書を「作る」から「直し続ける」へ

同じLOBO調査では、生成AIを活用(検討)する業務の1位が「文書作成・要約」81.7%。手順書づくりは、すでに多くの会社がAIに任せ始めた領域です。

共有して直す側も動きました。Canvaは2026年9月2日、Visual Suite全体で100超のアップデートを発表し、全世界の全Canvaユーザーへ順次展開中としています。他のユーザーの操作に追随する「Follow Collaborators」やワンクリックのリアクション、Docsでのビジュアルのドラッグ&ドロップなどが含まれます。順次展開である点が重要で、自社に届いているかは実際の画面で確かめてください。

手順書は作った日が一番正しく、翌月から古くなります。作る速さより、現場がその場で直せるかどうかが効きます。

手順3 締切から逆算して、設備と工程を同時に決める

フォーバルGDXリサーチ研究所の「2026年度第1回 中小企業経営実態調査」(2026年6月1日〜30日のウェブ調査、有効回答1,653人)では、賃上げを実施している企業は63.3%。実施企業では「大きな負担」12.1%と「やや負担」45.7%の合計57.8%が経営負担を実感しています。同じ調査で賃上げ促進税制は「制度を知らない」48.5%、「活用している」9.2%でした。

負担は等しく来ているのに、制度を取りにいけている会社は限られているという構図です。順番は、設備の見積もりからではありません。1に発効日の確認、2につなぎ目の特定、3にそれを解く設備の選定、4に申請です。逆にすると、書類は間に合っても投資が効かない場所に置かれます。

Before / After

Before: 賃上げ額だけを決め、原資は営業利益から出す。設備投資は「余裕ができたら」と後回しになり、工程は去年のまま。翌年もまた同じ判断を迫られる。

After: 賃上げ額を決めると同時に、つなぎ目を1つ選び、設備と工程をセットで組み替える。申請期限は自社の発効日から逆算して押さえる。翌年の賃上げは「昨年やめた作業の分」から考えられる。

よくある失敗と、避け方

  • 設備だけ決めて、工程を決めない → 非製造業のプラスが4業種にとどまるのは、設備が人の段取りを自動では変えないからです。見積もりの前に「やめる作業」を1つ明文化する
  • 申請期限を全国一律だと思い込む → 期限は事業場の都道府県の最低賃金の発効日の前日か11月30日の早いほう。発効は10月1日から12月2日に順次のため、自社の発効日を先に確認する
  • 全面刷新の提案に押し切られる → 全面刷新に「まったく抵抗がない」のは弥生の調査回答者951名のうち12.2%。1か所から始めて構いません
  • 制度を調べる担当を決めない → 賃上げ促進税制を「知らない」経営者は48.5%。誰がいつ調べるかを決めなければ、来年も同じ位置です

こんな社長に向いています

  • 最低賃金の改定に合わせて賃上げするが、原資の当てがない
  • 助成金の存在は知っているが、締切と条件を追いきれていない
  • 設備を入れたのに、現場の人手が思ったほど浮かなかった
  • 手順書が数年前のまま止まり、教えるのはベテランの口頭説明
  • 転記・確認待ち・差し戻しが多いが、回数を数えたことはない

ひとつでも当てはまるなら、賃上げの前に工程を1つ選ぶところから始められます。

AI COOがお手伝いするのは、この「選ぶ」と「順番を決める」の部分です。つなぎ目を数える型をつくり、どこが人件費を最も食っているかを特定し、制度の締切から逆算して設備と工程の組み替えを同時に設計します。手順書も現場が直し続けられる形に置きます。そこまで整えば、来年の人件費増を毎回ゼロから悩まずに済みます。

料金は月5万円(税別)。まずは試したい方には、お試し月3万円(税別)もご用意しています。

参考・出典

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