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2025年度の通販市場は初の15兆円台|「市場が伸びている」を自社の売上見込みに使わない

AI CRO

AI CRO

営業戦略を立て、実際に動く営業責任者

「通販は伸びているんですよね。うちの数字は動かないんですが」

9月に入って営業のご相談で続けて聞いた声です。

  • 「ネット通販の市場は伸びていると聞くのに、うちの受注は去年と同じです」
  • 「9月はいつも動きが鈍い。結局、値引きで押すしかないんでしょうか」
  • 「広告は止めたくない。ただ、何に効いているのかが分かりません」

どれも、売る力の話ではありません。市場が伸びたと聞けば自社にも順番が回る気がし、売れない月が続けば営業が悪いと思えてくる。どちらも外の数字を自社の数字の代わりに使っています。売上が伸びない会社の多くは、商品でも人でもなく、「今どういう相場の中で売っているのか」を数字で持っていないことでつまずいています。まず、出ている数字を2つ押さえます。

通販市場は初の15兆円台。ただし牽引したのは大手(2026年8月28日)

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が2026年8月28日に公表した調査では、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の日本国内の通販売上高は前年比5.9%増の15兆4,085億円でした。金額ベースでは前年から8,585億円の増加で、初めて15兆円台に乗せています。対象はJADMA正会員375社と有力非会員431社で、推計の対象は衣料品・雑貨・化粧品・健康食品などの物販が中心です。

大事なのは伸びの中身です。JADMAは、大手ECモールや家電量販店など大規模事業者が牽引したとしています。つまり**「通販市場が伸びた」は「自社のネット注文も伸びる」という意味ではありません**。価格と品揃えで殴り合う土俵に大きな資本が入ってきた、と読むほうが実態に近いはずです。(出典は記事末尾)

9月の消費意欲は、過去5年の同じ月で最低(2026年8月28日)

もう一つが需要側の温度です。博報堂生活総合研究所が2026年8月28日に公表した「来月の消費予報・2026年9月」によると、9月の消費意欲指数は45.7点で、前月比マイナス3.4ポイント、前年比マイナス0.9ポイント。過去5年間の同じ9月として最低値でした。20〜69歳の男女1,500名を対象に2026年8月3〜5日に実施した調査です。

営業に効くのは、ネガティブな理由の内訳です。「今月までに多く使ったのでセーブ」が8月の44件から9月は114件へ2倍以上に増え、「欲しいものがない・意欲がない」も351件に増えました。「物価高・値上げ・円安」は2025年9月の129件から2026年9月は156件へ増えています。夏の出費の反動と値上げの実感が重なっている月だ、ということです。

一方、内閣府経済社会総合研究所が2026年9月1日に公表した消費動向調査(令和8年8月実施分、二人以上の世帯・季節調整値)では、消費者態度指数は35.5で前月差プラス0.6ポイント、基調判断は「持ち直しの動きがみられる」で据え置きです。構成4指標で上げ幅が最大だったのは耐久消費財の買い時判断27.5(プラス1.9ポイント)、反対に収入の増え方40.4(マイナス0.5ポイント)と雇用環境39.9(マイナス0.2ポイント)は下がっています。(出典は記事末尾)

財布は締まっているが、高い買い物への抵抗は少し緩んだ。ただし収入と雇用の見通しは下がっている。 9月の売り方は、この3点を前提に組みます。

9月の営業を、値引き以外の3本で組み直す

1. 「市場の伸び」を捨てて、自社の経路別に置き直す

最初にやるのは、前年同月比を一度わきに置くことです。9月の需要環境は前年より弱い側に振れています。そのままの目標で走ると、未達の理由が「頑張り不足」に見えて打ち手が精神論になります。

代わりに、直近3か月の受注を経路別(既存客からの追加・紹介・自社サイト・モール・広告経由)に分け、件数と平均単価を並べます。市場全体が5.9%伸びたかより、自社のどの経路が伸びてどこが落ちたかのほうが明日の行動を決められます。この仕分けはAIに任せられます。受注データを渡して集計させ、前月と並べた表にするところまで、社長が手を動かす必要はありません。

2. 値引きの前に、「支払いの分け方」と「必要な理由」を用意する

9月に急増したネガティブ理由は「今月までに多く使ったのでセーブ」でした。値段が高いから買わないのではなく、今月の支払いを増やしたくないから買わないという状態です。ここに値引きをぶつけても、利益だけが減ります。

用意するのは2つ。ひとつは支払いの分散で、分割・後払いなど月内の支出を増やさない選び方を出せるようにします。もうひとつは必要性の言語化。「安いから今」ではなく「先送りすると何が起きるか」を商品ごとに1〜2行で書いておくことです。

耐久消費財の買い時判断が上がっている点は使えます。高単価品の提案を少数のお客様に試す価値はあります。ただし収入の増え方と雇用環境は下がっており、収入に不安のある層へ広げるのは慎重に。

値引きに逃げる余力も薄いのが実情です。帝国データバンクの価格転嫁に関する実態調査(2026年7月、有効回答1万518社)では、価格転嫁率は39.9%で前回2026年2月調査の42.1%から2.2ポイント低下し、再び4割を割りました。規模別では大企業41.6%、中小企業39.7%、小規模企業38.3%と、小さいほど低くなっています。コスト上昇分の約6割を価格に乗せられていない状態で、さらに値引きを重ねる余地はほとんどありません。

3. AIとの会話・AI検索の中に、自社が出ているかを見る

買い方そのものも動いています。LINEヤフーは2026年9月1日に、AIエージェント「Agent i」で、ユーザーとAIの対話の文脈に合わせた広告配信を拡大すると発表しました。検索連動型のショッピング広告は2026年8月31日に一部ユーザー限定を解除して配信を拡大し、同日から広告主への課金も始まっています。運用型のディスプレイ広告は現在も一部ユーザー限定で、検証を踏まえ段階的に拡大する予定です(提供は日本国内)。

注意点は、広告主がAgent iを配信先として個別に指定できず、既存キャンペーンの条件に応じて自動配信される点です。LINEヤフーの既存キャンペーンを配信中で、8月31日以降に表示回数やCPAが動いていたなら、この拡大が要因の候補になります。

検索側も同じです。Googleは2026年8月31日付で、Search Consoleの「生成AIパフォーマンスレポート」を世界中の全ウェブサイトへ提供し終えました。AIによる概要(AI Overviews)とAIモードでの自社サイトの表示回数を、ページ・国・デバイス・日付別に確認できます。ただし提供されるのは表示回数だけで、クリック数やクエリは含まれません。「AIの回答に自社が出ているか」だけを見る指標として扱います。

Before / After

Before: 9月の目標は前年同月比のまま。数字が届かず、会議は値引きの相談から始まる。広告は止められないが、どこが効いているかは分からない。市場が伸びているという記事を見るたび、焦りだけが残る。

After: 9月の需要環境が前年より弱いことを数字で共有し、目標を置き直してから打ち手を議論している。受注は経路別に分かれ、伸びた経路に人と広告費を寄せられる。値引きの代わりに、支払いの分け方と必要性の説明が営業資料に入っている。

よくある失敗と、避け方

  • 「市場が15兆円台」を自社の追い風として計画に入れる → JADMAの推計は正会員375社と有力非会員431社が対象で、牽引したのは大手ECモールや家電量販店。自社の経路別の受注で確かめてから計画に反映する
  • 9月の未達を現場の努力不足として扱う → 9月の消費意欲指数は45.7点で過去5年の同月として最低。前提が動いたのか、行動が足りないのかを分けて話す
  • 落ちた分を値引きで取り返そうとする → 価格転嫁率は39.9%、小規模企業は38.3%。値引きの原資はすでに薄く、支払いの分散と必要性の訴求を先に試す
  • AI経由の露出を見ないまま放置する → Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは2026年8月31日に全サイトへ展開済み。表示回数しか分からない指標と承知したうえで、月次の定点観測に加える

こんな社長に向いています

  • 「市場は伸びている」と聞くたび、自社との差に焦る
  • 毎年決まって落ちる月を、根性論で乗り切っている
  • 受注が経路別に分かれておらず、どこを伸ばすか決められない
  • 値引き以外の切り札が、営業の手元にない
  • 広告は出しているが、AI経由の表示回数を見たことがない

ひとつでも当てはまるなら、数字の置き方から直すほうが早く効きます。

AI CROが伴走すること

AI CROは、受注データを経路別に仕分け「今どこが効いているか」を毎月出すところから始めます。そのうえで、需要が落ちる月の目標の置き直し、値引きに代わる提案の型づくり、AI経由の表示回数を含む定点観測の設計まで、社長の隣で手を動かします。営業が得意な人がいなくても回る形に、売り方を組み替えます。

料金は月5万円(税別)。まずは試したい方には、お試し月3万円(税別)もご用意しています。

参考・出典

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